M&A視点で見るオンラインショップの難しさ|オンラインショップと資産ブログの資産価値を徹底解説

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サイトMアンドAについてとオンラインショップ

こんにちは、和花人ブログのMIHOです。
今回は「オンラインショップ運営の難しさ」「資産ブログの売買メリット」について、私の経験を交えてお話します。

花屋やオンラインショップを運営している方の中には、毎日の仕入れ・管理・発送に追われながらも「この仕事が好きだから続けたい!」と思っている方が多いのではないでしょうか?

私もそうでした。
花苗を扱う仕事は大変な一方で、植物の魅力を伝えられるやりがいがあり、お客様との出会いも楽しいものです。

ただ、M&A(事業売却)の基準で見ると、オンラインショップはどうしても利益率で不利になるという現実があります。
だからといって「花屋やショップを辞めるべき」という話ではありません。

むしろ、資産ブログのような「副業」を並行して育てることで、事業全体を安定させられるというのが私の結論です。

今回の記事の目次

サイトM&Aは「売上」ではなく「純利益」で評価される

サイトM&Aとは、事業やサイトを“資産”として売却する仕組みのことです。
まず大前提として、サイトM&Aで評価されるのは「売上」ではなく「純利益」 です。

月商50万円のオンラインショップがあっても、仕入れや人件費で35万円かかってしまえば純利益は15万円。

一方で、月商50万円の資産ブログでもコストがほぼゼロなら40万円が純利益として残り、評価は後者の方が高くなります。

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これは実際の企業経営と同じ考え方です。
どれだけ売上が大きくても、利益が残らなければ評価はされません。
つまり「どれだけ利益が残るか?」が事業価値を決めるのです。

私の経験:花苗ショップの難しさ

私は以前、花苗のオンラインショップを運営していました。
植物を通じてお客様に喜んでもらえるのは大きなやりがいでしたが、事業として見ると課題も多かったのです。

  • 仕入れ値が高い
  • 苗管理のスペース確保が必要
  • 雑貨や鉢を置くための在庫場所も必要
  • 毎日の水やりが必須で外注化が困難(倉庫管理ができない)
  • 管理と梱包に手間がかかり、人件費が増大する

こうした事情から、売上はあっても「純利益」が思った以上に残らないのです。

さらにM&Aの査定では、自分の作業時間も人件費として計上されるため、実際の利益はさらに低く評価されます。

つまり「自分が頑張って動いているから黒字に見えているだけ」で、買い手の視点から見ると「外注化すれば利益がほぼ消える」事業になってしまうのです。

正直、これが一番致命的でした(笑)。

だからといって、花屋事業をずっと続けていくのは簡単ではありません。
年齢を重ねれば重ねるほど「体力的な負担」は大きくなりますが、かといって人を1人雇うとなれば、人件費が利益を圧迫し、事業としての採算が取りにくくなります。

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この「自分が走り続けなければならない構造」こそが、M&Aの査定で「不利」になる最大の理由なのです。

M&A査定での人件費の扱い

M&Aの査定においては、経営者本人が行っている作業時間も「人件費」として見なされるのが基本です。
自分が走り続けることで黒字に見えていても、買い手からすれば『その作業を外注すれば利益が消える』と判断されるため、実際の評価額は下がってしまいます。

計算の考え方

・作業を外注したらいくらかかるかを想定する
例:水やり・管理・梱包などに1日5時間かかっている → 時給1,000円で換算 → 月15万円の人件費

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実際には自分でやっているから現金支出はゼロでも、査定上は「外注費」として差し引かれます。
もしも家族ぐるみで経営している場合でも、作業を行っている人数分の人件費を計上しなければなりません。

・実際に雇っているスタッフの給与も含める
パート・アルバイト・正社員の人件費はもちろん、社会保険料なども加算して計算

・買い手目線で“自分が動かなくても回る状態か?”が重視される
経営者が作業を止めると売上も止まる場合、買い手は「人件費が実質的に発生する」と判断して純利益を低めに評価する

資産ブログの複利型モデル

一方で、資産ブログの特徴は 「複利型モデル」 であること。

最初の数年は記事作成に膨大な労力が必要です。
毎日コツコツ書いても成果が見えず、心が折れそうになる時期もあります。
しかし一度記事が検索上位に入りアクセスが安定すると、その記事が「資産」として積み上がっていきます。

つまり、時間が経つほど労力は減り、収益は上がっていく
在庫リスクもなく、固定費もドメインとサーバー代のみ。
純利益率が高いこともM&Aで評価されるポイントです。

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これがオンラインショップにはない「仕組み化による複利効果」です。

さらに「収益が安定するまでに膨大な時間と労力がかかっている」という事実自体が付加価値となり、M&Aでは高く評価される傾向にあります。

M&Aにおける評価額の試算方法

※ここで紹介する計算方法は、あくまで「一般的な目安」です。
実際の査定額はサイトのジャンル・成長性・運営年数・市場状況・買い手のニーズによって大きく変わります。

そのため「必ずこの金額になる」というものではなく、あくまで参考程度にご覧ください。

サイト売買では一般的に、「月間純利益 × 取引倍率(マルチプル)」で評価額が算出されます。

1. 月間純利益の計算

月間収益 -(仕入れ代・サーバー代・外注費・広告費・人件費(※自分の作業時間含む))
= 月間純利益

2. 取引倍率(マルチプル)の目安

  • 安定性が「低い」場合:12か月〜18か月分
  • 安定性が「高く」将来性がある場合:24か月〜36か月分

3. 試算例

・オンラインショップの場合
月間売上:50万円
経費(仕入れ・人件費・梱包資材・倉庫など):35〜40万円
月間純利益:10万〜15万円
→ 評価額の目安:120万〜270万円程度
(※理論上は最大540万円となりますが、オンラインショップは安定性が低く、人件費や在庫リスクも大きいため、実際にはそこまで評価されるケースはほとんどありません。)

・資産ブログの場合
月間収益:50万円
経費(サーバー代・ドメイン代など):5千円
月間純利益:約49万5千円
→ 評価額の目安:594万円〜1,485万円

補足コメント

  • オンラインショップは「売上は同じでも仕入れ・人件費などで純利益が削られやすい」
  • 資産ブログは「ほぼ純利益=売上」で評価額が大きく跳ね上がる
  • だからこそ「同じ売上50万円」でも、M&A市場での評価額は数倍以上の差になる
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また、オンラインショップの売買は、媒体によって「売れる」「譲渡できる」とされても、事前承認や規約上の制約があるものがあるので注意が必要です。

売却できる/できない媒体

考え込みながらパソコンを見つめる女性、困っている

※ここで紹介するのは一般的な仲介サービスでの取り扱い基準であり、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。
詳細は利用中のプラットフォーム規約をご確認ください。

✅ 売却できる媒体(条件付きも含む)

  • 独自ドメインの自社サイトやブログ
  • カラーミーショップ(※事前承認や条件が必要な場合あり)
  • ショップサーブ
  • MakeShop
  • BASE(※条件付き)
  • Shopify(※所有者移転が可能。ただしドメインや支払い口座、顧客データの引き継ぎ準備が必要)

❌ 売却できない媒体

  • 楽天市場
  • Yahoo!ショッピング
  • Amazon出店(※アカウント自体の譲渡は不可)
  • メルカリShops
  • note
  • その他「プラットフォームにアカウントが帰属している媒体」

補足説明

楽天やYahoo!ショッピングのような「モール型」のサービスは、アカウント契約が個人や法人に紐づいているため、原則として譲渡できません。
同じようにAmazonやメルカリShopsもアカウント売買は禁止されています。

BASEやShopifyのような「プラットフォーム型」サービスも、運営条件や引き継ぎの準備を整えれば売買可能とされるケースがあります。
ただし、独自ドメイン型に比べると制約や手続きが複雑になりやすいため、事前に規約の確認が欠かせません。

※Amazonアカウントは単体での売買は規約違反ですが、法人ごとの売却や事業譲渡の形で取引されることがあります。
そのため実際のM&A案件では『Amazonショップ売却』として見かけるのです。

一方で、独自ドメインのサイトやブログは所有権を移せるため、資産価値が生まれるのです。

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つまり「どの媒体で事業を始めるか?」によって、将来的にM&Aで売却できるかどうかが大きく変わってしまいます。

オンラインショップと資産ブログの比較一覧

より分かりやすくするために、両者の違いを一覧表でまとめました。

項目オンラインショップ資産ブログ
収益構造売上は大きくなるが、仕入れ・人件費・広告費などで利益が削られるコストがほぼサーバー代・ドメイン代のみ、利益率が高い
労力生物管理・梱包・発送など、毎日手を動かし続ける必要がある初期は記事作成に労力がかかるが、数年後は更新・リライト中心にシフト
持続性手を止めた瞬間に売上が下がる(常に走り続ける必要あり)ストック型で記事が資産化し、アクセスが続く限り収益が発生する
外注化のしやすさ生き物の管理や水やりなど、外注化が難しい作業が多い記事作成やデザインなど、外注化・仕組み化しやすい
リスク在庫・仕入れ・廃棄リスクが常につきまとう在庫リスクゼロ。アルゴリズム変動のリスクはあるが、安定性は高い
M&A評価純利益率が低く、査定で厳しく見られがち複利型で利益率が高く、M&Aでも高額で評価されやすい
将来性(年齢)自分が歳を取るほど体力的に厳しく、継続困難になりやすい一度仕組み化できれば、年齢を重ねても収益が続きやすい

両方を掛け合わせて安定する

ここまで読むと

「じゃあ花屋やオンラインショップはやめるべきなの?」

と思われるかもしれません。
けれど、決してそうではありません。

花屋やオンラインショップには、お客様とのつながりや生きた植物を届けられる魅力があります。

ただ、事業の特性として人件費や体力に依存する部分が大きいため、長期的な安定を考えるとリスクも存在します。

だからこそ私は、資産ブログを「副業」として組み合わせることをおすすめします。

MIHO

ブログが安定収益の柱となれば、花屋事業も、より安心して続けられるようになりますし、年齢を重ねても心強いバックアップになるからです。

まとめ|オンラインショップと資産ブログを掛け合わせて未来を安定させる

今回のポイントを整理します。

  • M&Aの評価基準は「売上」ではなく「純利益」
  • オンラインショップは仕入れ・人件費がかかり、年齢を重ねると体力的にも厳しくなりやすい
  • 資産ブログは初期の労力は大きいものの、複利型で労力が減りつつ収益が安定しやすい
  • 在庫リスクがなく、純利益率が高い資産ブログはM&A市場でも高額評価されやすい

私自身、花苗ショップを運営して「走り続けるビジネスの大変さ」と「お客様に喜んでもらえるやりがい」の両方を経験しました。
そして資産ブログを始めてからは、「努力が資産として積み上がる」という新しい形のやりがいを感じています。

大切なのは、どちらか一方を否定することではなく、オンラインショップの魅力を活かしながら、資産ブログのようなストック型の柱を持つこと

そうすれば、日々の仕事を楽しみながら、将来も安心して続けられる働き方に近づけます。

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今回の記事では、M&A視点で見たオンラインショップと資産ブログの違いについてお話しました。
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