人が育たない本当の理由|QCの考え方で見えた仕事と人生のボトルネック

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人が育たない本当の理由QCの考え方で見えた 仕事と人生のボトルネック

これまでこのブログでは、個人事業や副業、働き方についての記事が多くなっていましたが、今日は少し視点を変えて、いち会社員(本業)としての目線で書いてみようと思います。

実は最近、Instagramのプロフィールに
「品質管理(QC)の考え方を、人生やビジネスに応用しています」
と書きました。

改めて言葉にしてみて、「あ、私ずっとこれをやってきたんだな」と自分でも腑に落ちたんです。

私自身、品質管理や生産管理の仕事に長く携わってきました。
そこで日々考えていたのは、
「どうすれば現場が回るか?」
「なぜ、ここで止まるのか?」

そんなことばかり。

今やっている
・構造を見ること
・問いを立てること
・翻訳することは、
実はその延長線上にあります。

社員さんやパートさんを雇っている方にも、何かひとつでも「ヒント」になれば幸いです。

今回の記事の目次

ある友人からの相談

先日、ある友人からこんな相談を受けました。

「5年目の部下がいるんだけど、いまだに指示待ちなんだよね。
分かってるだろうと思って放っておいたら、案の定、仕事が終わってなくて納期が遅れてさ。
正直、かなりキレた。」

……うん、分かる。
現場では本当によくある話です。

そこで私は、こう返しました。

「それさ、
5年選手だと思ってるから余計に腹が立つんじゃない?
新入社員だと思って接してみたら?

友人は少し驚いた顔で言いました。

「いや、でも5年だよ?
そこまで戻らなきゃダメなの?」

「5年目」というラベルが、現場を止めている

ここで私が考えたのは、
問題は“年数”ではなく、前提の置き方だということ。

5年在籍している= 自分で考えて動ける
とは、限りません。

感情的には、
「もう5年もやってるのに!」
そう思ってしまうのも無理はありません。

でも、感情をいったん横に置いて、「現場が本当に回っているか?」という視点で見直してみると、少し違う景色が見えてきます。

年数というラベルを外して、
・どこで仕事が止まっているのか?
・どんな前提で任せているのか?
・同じことが再現できているのか?

そうやって因果を追っていくと、問題は「人」ではなく、「仕組み」「前提の置き方」にあることが多いのです。

だから私は、こう続けました。

「部下が仕事を終えられない
→ 納期が遅れる
→ 顧客満足度が下がる
→ お店の評判が落ちる
→ それ、最終的には
教えているあなたたち上司の評価にも返ってくるよね?」

これは責任論ではなく、
因果の話

感情ではなく、
流れとして見たとき、
どこを直せば一番効くのか?

「新入社員扱いを1年くらいするだけで仕事が安定して回るなら、その方が結果的に楽じゃない?」

そう伝えました。

本当の問題は「人」ではなく、仕組みだった

さらに友人は、こんな悩みも話してくれました。

「社内の検索システムが使いにくくてさ。
頭文字が一致しないと検索に出てこない。
検索点数は何万件もある。
だからマニュアル化もできないし、教えようがないんだよ。」

その部下の子は、
検索でつまずき、
毎回そこで時間をロスしているそうです。

ここで私は、また同じ質問をしました。

「ねえ、あなたたちベテランは、どうやって探してるの?」

ベテランの「普通」は、暗黙知になっている

多くのベテランは、
完全一致しなくても、
「経験」や「勘」で言葉を変えながら、
自然と答えに辿り着いています。

でもそれは、本人にとっては「普通」。

この
当たり前すぎて言葉にされていない知識や判断「暗黙知」と呼びます。

暗黙知は、教えているつもりでも、実はベテランには当たり前すぎて部下に共有されていないことが多いんです。

新人ができないのは、能力の問題ではなく、ベテランが使っている思考のプロセスが見えていないだけということが、とても多いのです。

全部を直そうとしない。詰まりだけを見る

私は、こう提案しました。

「他のベテランにも聞いてみなよ。
『いつも一発で出てこない検索』、いくつか必ずあるはずだから。」

「それを集めて、
よく間違える検索ワードと正規の文字だけ
一覧にするの。」

ここで使っている考え方が、パレートの法則です。

パレートの法則とは、
「全体の結果の多くは、一部の原因から生まれている」
という考え方。

よく
「成果の8割は、2割の要因から生まれる」
と言われますが、
大事なのは数字そのものではありません。

ポイントは、
問題やミスは、均等に起きているわけではない
ということです。

たとえば、
・ミスが起きる工程
・作業が止まるポイント
・新人が毎回つまずく場面

こうしたものをよく見ると、「毎回ほぼ同じところ」で起きています。

検索システムの話も同じで、
何万件もの項目すべてが
同じ頻度で使われているわけではありません。

新人が詰まる検索は、
実は
「いつも同じ数個の検索ワード」
であることがほとんどです。

だから、
すべてを完璧にマニュアル化しようとする必要はなくって。

まずは、
・よく間違える検索ワード
・一発で出てこない代表例

そこだけを洗い出して潰す。

それだけで、現場の詰まりは驚くほど減ります。

QCの考え方では、
「全部を良くしようとする」のではなく、「一番効くところに手を入れる」
というのが基本です。

どこかに、必ずボトルネックがある

考え込みながらパソコンを見つめる女性、困っている

人が育たない。
人が辞めていく。

こういう現場をよく見ていくと、
実は同じ場所で、同じようにつまずいていることがほとんどです。

新入社員が覚えられない現場では、
・説明が一度きり
・「前に言ったよね」が早すぎる
・判断基準が言語化されていない

ということがよく起きています。

つまり、
「自分で考えて動ける前提(職人技)」の場所に、まだ土台ができていない人を置いているというケースが多いんです。

一方で、中堅が辞めていく現場では、「仕事の量」や「難しさ」そのものよりも、

・上司が疲れ切った目で仕事をしている
・改善の話をしても「今さら無理」と返される
・考えることより、波風立てないことが優先されている

そんな空気の中で、
「この先も、ここで同じ景色を見るのか」
と感じてしまうことが多いように思います。

これもよく見ると、その人が悪いわけではなく、配置の問題であることが多い。

・判断が苦手な人を、「判断前提」のポジションに置いている
・丁寧な作業が得意な人を、「スピード最優先」の場所に置いている
・考える力のある人を、「考えなくていい役割」に固定している

こうしたズレがあると、
本人はどれだけ頑張っても成果が出ず、
周りは「向いてない人」とラベルを貼ってしまう。

給料の問題に見えることもあるし、
やりがいの問題に見えることもあります。

でも多くの場合、
本当に詰まっているのは、
人ではなく、「配置と前提」と「期待値の置き方」

・改善提案が通らない
・考えても意味がないと学習してしまう
・「どうせ変わらない」という空気が漂っている

そんな思考が止まる地点が、職場のどこかに必ず存在しています。

QCで言うなら、
人が辞めていく原因は散らばっているように見えて、
実は
一番太いボトルネックが、ずっと放置されているだけ

そこに手を入れない限り、
人が入れ替わっても、
同じことが繰り返されます。

人生という伏線

ここまで書いていて、
自分でも少し笑ってしまいました。

ああ、
私の人生、ちゃんと繋がってたなって。

覚えるのは得意じゃない。
教科書通りにもできない。

だから私は、
使ってみて、当てはめて、外して、やり直す。
その繰り返しでしか、覚えられなかった。

でもそれが、
理論を「知る」よりも、
使える形にする力になっていた。

会社員として積み重ねてきた時間も、
今の私の
「構造で見る」「因果で考える」
という軸に、確かに貢献していました。

あの頃は気づかなかったけれど、人生という伏線だったのかもしれません。

おわりに

QCの考え方は、工場や製造業だけのものではありません。

人生にも、
仕事にも、
必ず「構造」があり、
必ず「ボトルネック」があります。

人を責める前に、
自分を責める前に、
一度だけ「構造」を見る。

それだけで、景色は驚くほど変わります。

もし今、どこかで立ち止まっているなら、そこにはきっと、直すべき「一点」がある。

そう思いながら、私はこれからもQCの視点で、「人生」と「ビジネス」を見ていこうと思います。

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