はじめに:頑張っても報われない「全力疾走」の罠
「常に全力で頑張っているのに、なぜか報われない。」
そんな経験、ありませんか?
かつての私もそうでした。
オンラインショップを運営しながら、会社員として働き、動画撮影や編集、SNS発信まで一人でこなす毎日。
- ショップ運営(受注・在庫・梱包・発送)
- 会社の仕事
- 動画撮影・編集・投稿
- SNSでの発信
効率化を意識して、タスク管理をし、作業時間を短縮したり、スケジュールを組み直したり…。
それでもなぜか、仕事は減らない。
むしろ「時間ができた分だけ次の仕事を詰め込む」という悪循環。
気づけば休む暇もなく、ただ“こなすだけ”の日々。
「私は一体、何のためにこんなに頑張っているんだろう?」
そう立ち止まったとき、出会ったのがリチャード・コッチの『人生を変える80対20の法則』でした。
「努力すれば報われる」は本当か?

この本で紹介されている「80対20の法則(パレートの法則)」は、人生にも仕事にも驚くほど当てはまります。
結果の80%は、たった20%の行動から生まれている。
つまり、私たちの努力の多くは、実は“成果に直結していない”ということ。
自分にとって本当に意味のある20%に集中することが、結果的に人生を大きく変える鍵なのです。
そして──この法則は一度きりで終わらない
たとえ“成果を生む20%”に集中したとしても、その中にも、また同じように「成果の80%を生む上位20%」が存在するのです。
つまり、
20%に注力するだけではなく、その中の“真の20%”に焦点を当てると、
結果が指数関数的に伸びていく。
たとえば私たちの1日の中で、「充実していた時間」が全体の20%だとしたら、その中にも「特に心が動いた、創造的だった時間」があります。
それが“20の中の20”=本当に価値ある4%の時間です。
この考えを知ってから、私は「時間を増やす」のではなく、「どの時間をより濃く使うか?」を意識するようになりました。
Instagram運営で考える80対20の法則
インスタの発信も、まさにこの「80対20の法則」が当てはまります。
「頑張ってるのに伸びない」「時間ばかりかかる」──
そんなときは、自分がどの層に力を注いでいるのかを見直してみると、流れが変わります。
図で言うとこうなります
インスタ運営 全体100%
├── 上位20%(成果の80%を生む) ← 集中する!
│ └── その中の20%(真の核・ゴールドゾーン) ← さらに集中!
└── 残り80%(頑張っても成果が薄い) ← 手放す・減らす
“80”の部分はどうすればいいの?
80の中には、完全にやらなくていいこともある(捨ててOK)。
でも、「なくすと困る最低限のこと」もある(たとえばリールの下書き整理や簡単な返信など)。
だから、
- 「全力でやる対象」は“20の中の20”(=約4%)
- 「ほどほどでいい対象」は残りの80%
この意識で取り組むと、発信がぐっとラクになります。
20の中の20(=ゴールドゾーン)に集中する
たとえば:
- 保存やシェアが多い投稿の分析と再活用
- 世界観が伝わる写真・動画作り
- フォロワーが増えたきっかけとなるリールの深掘り
- コメントやDMでの“濃い交流”
こうした投稿や行動が、あなたの信頼・数字・世界観を育てる「ゴールドゾーン」です。
ここに時間を使うことが、最も効果的な“時間投資”になります。
残りの80%は「ほどほど」でOK
一方、次のような行動は「頑張っても成果が薄い80%」に当たります。
- すべての「いいね返し」を毎回やる
- 毎日投稿しないと不安になる
- ハッシュタグを毎回完璧につけようとする
- 反応の少ない投稿を何度も作り直す
これらは“完全にやめる”のではなく、「余裕のあるときだけ」「まとめて・自動で」でも十分。
まとめ:4%を磨けば結果は倍増する
インスタでも、成果のほとんどは“わずか4%の行動”から生まれています。
だからこそ、
- 全員に好かれようとしない
- 投稿数よりも“濃度”を意識する
- 「反応がある=価値が届いている証拠」を信じて深める
この3つを意識すると、心が軽くなり、発信が循環し始めます。
「SNSの発信」も「仕事の時間」も、根本は同じです。
どちらも「限られた時間の中で、何に力を注ぐか?」が結果を分けます。
私の場合、この考え方を仕事全体に広げたときに、ようやく“努力しているのに報われない理由”が見えてきました。
それを痛感したのが、オンラインショップを運営していた頃のことです。
オンラインショップ時代に陥った「なんでも屋」の罠
オンラインショップを運営していた頃、私は動画撮影、デザイン、在庫管理、SNS運用など、すべて自分でこなしていました。
「効率化」や「多動力」に憧れ、スピードを上げることばかりを意識していたけれど、気づけば“なんでも屋”になっていました。
確かに生産性は上がりましたが、自分の専門性や価値は上がっていなかった。
「忙しいのに、成果が薄い」──
その原因は、すべての仕事を“同じ比重”で扱っていたから。
スティーブ・ジョブズの言葉が示す「選択の力」
スティーブ・ジョブズの有名な言葉があります。
「何をやるかより、何をやらないかを決めることが大事だ。」
リチャード・コッチの理論と、このジョブズの言葉は同じ本質を語っています。
やらないことを明確にする。
その選択こそが、最もクリエイティブな行動なのです。
会社でも同じ構図。効率化の先にあった“詰め込み”
会社でも同じことがありました。
業務改善を提案し、効率化を進めたはずなのに、気づけば次の仕事、また次の仕事。
MIHO私はそのとき、「ただの便利な人」になっていたんです。
そうではなく、自分にしかできない仕事に集中することこそが、成長への道なんですよね。
「これは私がやるべき仕事なのか?」という視点
この法則を意識するようになってから、私は仕事を引き受ける前に必ずこう自問するようになりました。
「これは私がやらなければならないことなのか?」
「他の人でもできるのでは?」
以前の私は、「自分がやったほうが早い」と思い込み、すべての仕事を抱え込んでいました。
でも、それが一番の間違いでした。
他の人でもできることは任せ、自分にしかできない“20%の仕事”に集中する。
その結果、仕事の質が上がり、余白のある生活が戻ってきました。
それに気づいてから、ようやく“自分の価値を生む仕事”に時間を使えるようになったのです。
未来から逆算して、仕事を選ぶ
80対20の法則を実践するうえで、私が意識しているのが「未来から逆算して選ぶ」という考え方です。
この仕事をこなした先に、どんな未来が待っているのか?
この行動は、自分の理想に近づくためのものか?
目の前のタスクをこなすだけではなく、その先にある“目的”を見据えて動く。
そうして少しずつ“選択の精度”を上げていくことで、人生の効率そのものが変わっていくのです。
パレート思考で変わった「働く意味」
リチャード・コッチの理論が教えてくれたのは、単なる“効率化のテクニック”ではなく、生き方そのものの再設計でした。
| Before(以前の私) | After(今の私) |
|---|---|
| すべての仕事を均等にこなす | 大切な20%に集中する |
| 効率化を追い求める | “やらないこと”を決める |
| 空いた時間に次の仕事を詰め込む | 空いた時間は“思考”に使う |
| 頼まれたら断らない | 自分の目的に沿わない依頼は断る |
働き方を変えるとは、スピードを上げることではなく、自分の軸を取り戻すこと。
“自分にしかできないこと”を見極めると、仕事も人生も、ようやく軽やかに循環しはじめます。
最後に:人生の中で、本当に大切なこと

これからの人生、常に全力疾走で働き続けるのか?
人生の大半を会社で過ごし、そして定年した時、会社で過ごした時間の中で、私にどんな価値が残るのか?
役職や仕事のスキルなど、定年してしまえば何の意味も価値も無い。
私は最近、その問いをよく考えます。
目の前のタスクだけをこなすのではなく、「この仕事が、その先の私の人生の“目指すべき姿”にどう繋がるのか?」を考えること。
それが、私たちが“人生という限られた時間”を本当に意味のあるものに変えていくための第一歩なのだと思います。
▽今回紹介したリチャード・コッチの人生を変える80対20の法則はこちら
私が“やらない勇気”の大切さに気づくきっかけとなった1冊です。
働き方や生き方を見直したい方におすすめ。
オススメ記事






