個人事業をしていると、最初は「全部自分でやるのが当たり前」と思ってしまいがちです。
だけど、実際にやってみると、作業に追われて疲れ果ててしまうことも……。
私自身も、以前はネットショップ運営・商品の仕入れ・梱包・発送・ブログ・SNS・お客様対応・会計……と、すべてを一人でやっていました。
最初は楽しかったのに、だんだんと「私、何のためにこれ始めたんだっけ?」と、モヤモヤするようになってしまったんです。
でも大丈夫。
ちゃんと“手放す工夫”をすれば、もっとラクに、そして楽しく個人事業を続けていけますよ。
まずは「仕事の仕分け」から始めよう

「一人で抱え込まない」働き方を実現するために最初にやってほしいのが、仕事の仕分けです。
「自分じゃないとできないこと」と「自分じゃなくてもできること」を分けるだけで、手放すポイントが見えてきます。
頭の中でなんとなく考えていることを、実際に文字にして書き出すことで、モヤモヤしていた思考が整理され、客観的に見ることができます。
✅ 自分がやるべき仕事とは?
簡単に言うと、「考えること」「決めること」「創ること」です。
- 新しい商品やサービスをどうするかを考える
- 誰に届けるか?価格はどうするか?などを決める
- あなたの「言葉」や「世界観」「アイデア」をカタチにする
こうした仕事は、あなたにしかできない“中核”であり、他の人では代わりがききません。
✅ 自分じゃなくてもできる仕事とは?
簡単に言えば、「やり方が決まっていて、誰でもできる繰り返し作業」です。
- 「梱包」や「発送」などの物理的作業
- 「経理」や「入力業務」
- マニュアル通りに対応できる「お客様対応」や「SNS投稿」
これらは、あなたの判断や感性がなくても、仕組み化や外注で回していくことが可能です。
| 区分 | 内容の例 |
|---|---|
| 自分がやるべき仕事 | アイデア出し、今後の方向性の決定、事業計画の設計など |
| 自分じゃなくてもできる仕事 | 梱包、接客、お客様対応、SNS書き込み等のルーチン作業 |
私の実例:花苗オンラインショップの運営の場合
| 区分 | 実際にやっていた仕事 |
|---|---|
| 自分がやるべき仕事 | – 季節のイベント企画 – 商品構成と仕入れ先の再選定 – 事業の目標設定や今後の方向性 |
| 自分じゃなくてもできる仕事 | – 苗の水やり・日々の手入れ – 梱包や発送作業 – 注文処理やお客様対応 – 会計・経理業務 |
このように、少し仕分けてみるだけで「ここは他の人や機械に頼んだ方がいいかも」という気づきが生まれます。
一人で抱え込まないための3つの視点
一人で事業をしていても、「すべてを自分でやる」必要はありません。
私が昼間は会社員として働きながら、副業としてオンラインショップを2年間続けられたのも、こうした「効率化の工夫」や、私を「支援してくれる人たちの存在」があったからこそです。
自分一人の力ではなく、周囲の協力や仕組みの力を借りることが、長く続けるための大きな鍵になります。
大切なのは、次の3つの視点を意識することです。
| 視点 | 内容 |
|---|---|
| 機械やツールに任せる | 時間のかかる単純作業は自動化やツールを活用 |
| マニュアル・フォーマット化 | 作業や発信の手順を“型”にして効率化 |
| 外注や人に任せる | 自分以外の手を上手に借りて負担を減らす |
では、順番に詳しく見ていきましょう。
① 機械やツールに任せる|無料でも使える便利な仕組み

時間を消耗しがちな単純作業こそ、無料〜低価格で使えるツールに任せましょう。
たとえば…
| 作業内容 | おすすめツール | 特徴 |
|---|---|---|
| 画像の作成・加工 | Canva | テンプレート豊富、SNS投稿やチラシも簡単 |
| 会計処理・確定申告 | freee / マネーフォワード | 自動連携で経理作業が劇的にラクに |
| SNS投稿の予約 | Buffer / Later | 時間を指定して自動投稿が可能 |
| タスク管理 | Notion / Trello | プロジェクトを可視化、やることを整理できる |
「機械に任せる」と聞くと難しそうですが、初心者でも扱えるツールはたくさんあります。
まずは、いつも同じことをしている作業から自動化してみましょう。
予約投稿の注意点
ただし、SNSの予約投稿に関しては注意が必要です。
特にInstagramでは、外部の非公式ツールを使うことで、アカウントが一時停止または閉鎖されるリスクもあります。
| プラットフォーム | 推奨される方法 | 注意点 |
| Meta社公式の「クリエイタースタジオ」や「Meta Business Suite」 | 非公式ツールはリスクあり。アカウント停止の可能性も | |
| X(旧Twitter) | Bufferなど信頼性の高いサービス | API制限の変更により突然使えなくなることも |
| Meta公式の投稿予約機能 | 投稿内容がスパム扱いされることがある |
SNSはあくまで“借りている場所”なので、使い方を誤るとアカウントを失ってしまう可能性も。
なるべく公式ツールを使うか、予約投稿は“補助的”に活用するのが安心です。
② 作業はマニュアル化!外注や家族にもお願いしやすく

作業を人に頼むときにネックになるのが、説明の手間。
だからこそ、マニュアル化しておくとぐっとラクになります。
たとえば:
- 作業の流れについて
- 梱包手順(写真付き)
- LINE配信の流れ
- 月末の振り返り作業のチェックリスト
スマホで画面をスクショし、手順を書くだけでもOK。
何度もやっている作業は、“誰でもできるようにする”ことがポイントです。
▼マニュアル化の例
| 作業 | マニュアル化例 |
|---|---|
| 発送作業 | 写真つきで梱包手順を記録 |
| SNS投稿 | テキストテンプレ+画像サイズを記載 |
| 請求書発行 | スクショつきでPDF作成手順を保存 |
③ 定期的な発信はテンプレート化してラクに
発信が続かない人に共通しているのは、「毎回ゼロから考えている」こと。
定期的に発信する情報は、“その都度考える”のではなく、あらかじめ型(テンプレート)を作っておくことで、驚くほどラクになります。
たとえば、イベントのお知らせ、季節のお手入れ情報、クーポン配布、LINE配信など、毎月・毎シーズン似たような構成で発信する内容は、テンプレ化に最適です。
私の実例:12か月分の季節のお手入れアドバイスをテンプレ化


私は以前、ガーデニングショップの発信用に、月ごとの「季節の庭仕事アドバイス」をテンプレート化して、画像付きで毎月投稿していました。
- 毎月共通の構成(冒頭メッセージ+今月の注意点+ポイント3つ)を作成
- Canvaで見た目も揃え、色だけ月ごとに変更
- 1年分まとめて先に作っておいたので、毎月の投稿は画像と本文を差し替えるだけ!
これがあるだけで、発信の負担がぐっと軽くなり、投稿の抜け漏れもゼロになりました。
さらに、自分らしい言葉や写真、アイデアを使ってテンプレートを作れば、それ自体がオリジナリティになり、他の同業者と差別化することも可能です。
テンプレート化のメリット
| 項目 | 内容 |
| 作業時間の短縮 | 書くたびに悩まなくてOK。差し替えるだけで完成 |
| 統一感のある発信 | ブランドイメージやトーンが揃う |
| 外注しやすくなる | 型があれば、他の人にも任せやすい |
| 差別化につながる | あなた独自のフォーマットが魅力になる |
④ 自分にしかできない“核”に集中する

作業の手放し方や仕組みづくりができたら、最後は「あなたにしかできない仕事」にしっかり集中しましょう。
- 商品やサービスの改善・企画
- 営業プレゼンやヒアリング(※特に個別対応型ビジネスでは超重要)
- お客様の声から得られる気づき
- あなたの経験を活かした発信やコンテンツ作成(世界観・ストーリー)
この部分こそが、個人事業の“強み”であり、他の誰にも真似できない「あなたの価値」です。
日常の細かい作業に追われてしまうと、
せっかくのアイデアやインスピレーションが埋もれてしまいます。
「仕組み」は未来の自分を助ける投資
- マニュアル化 → 作業を人に頼みやすくなる
- フォーマット化 → 発信が継続しやすくなる
- 自動化ツール → 時間を生み出す
これらはすべて、「未来のあなた」を助けてくれる仕組みです。
毎回バタバタしていたり、疲れてしまっているのなら、ほんの少しでも“手放す工夫”を試してみてください。
まとめ|全部自分でやらなくていい。“手放す勇気”が、ビジネスを育てる

「一人で抱え込まない働き方」は、決して“怠けること”ではありません。
むしろ、自分の時間とエネルギーを本当に大切にするための、賢い選択です。
- 誰でもできる作業は「機械」や「人」に任せて
- 自分の時間は“あなたにしかできないこと”に集中する
- 発信や作業は「テンプレート」や「マニュアル」で効率化する
この考え方があるだけで、あなたのビジネスはもっとラクに、もっと長く、楽しく続けられます。
「頑張る」から「工夫する」へ。
今日から少しずつ、仕組みを整えてみませんか?




